「大樹くんのことが、大好きだから」 彼にのしかかる負担を少しでも軽くしたい。 「父さん、今ので分かっていただけましたか?」 「何をだ?」 いろいろ考えるあたしをよそに、部屋の中にいる人たちの話は進んでいく。 「大樹くんと樹里さんの仲は、もう引き裂くことができない」 え……? 「……僕は引き裂くつもりもなかったけどね。今の僕には、美和がいるから」 創くんの言葉に、あたしは扉を開けようとしていた手が止まる。