そして、どちらからともなく顔が近づく。




……大樹くんとのキス。





それは、いつやっても甘く感じる。




優しく触れるその唇に、あたしはいつも翻弄される。





やがて、ゆっくりと離れた。







「今日はもう、勉強止めようかな」





「えっ?」








「なんか、樹里と離れたくなくなった」





イジワルな顔であたしの顔を覗き込む。




あたしの顔は当然のごとく真っ赤。





「か、からかってるよね……」





「そう?ふっ、可愛い」




もう、恥ずかしすぎます。





あたしは大樹くんの顔をチラリと見た。







いつもと変わらない。