「っ……樹里!!」






大樹くんが大きな声であたしを呼んだ。






そして追いかけてくる。






ヒール、キツイなぁ。






速く走れるかな、なんて考える。








「うっ……く、やだ、嫌だよ」






そんなの、嫌だよ。






大樹くん、あたしのこと好きって言ってくれた。









あたしも、大樹くんのことが大好きだよ。






そのお互いの想いだけじゃ、ダメなの?






「樹里!待って」






あっという間に追いつかれてしまい、グイッと腕を引っ張られる。







勢い余って大樹くんの方に倒れてしまった。