さっきの場所に戻ると、大樹くんと創くんがいた。 走るといけないので、早歩きでそこまで向かう。 「樹里さん、待ってたよ」 「お待たせしてしまってすみません」 あたしは少し微笑む。 「来てほしいところがあるんだ、2人とも」 来てほしい、ところ? あたしと大樹くんは、少し先を歩く創くんについて行く。 「樹里」 「……うん?」 小さな声で名前を呼ばれて、大樹くんを見る。 大樹くんの顔が、あたしの耳元に近づく。