「ごめんなさい、大樹くん」
ボソリと、大樹くんにも聞こえないような声で言った。
……なんとなく分かってしまった。
大樹くんの隠してることが。
大樹くんは、昔のことで、創くんと話をするんだ。
創くんのお父さんとも。
だから、緊張してるように見える。
平然としてるけど、さっき料理の乗った皿を渡したとき手が触れたんだよね。
……その手が冷たかった。
いつもはあったかいのに。
だから、きっとそういうことなのだと思う。
本当に考えすぎかもしれないけど。
「じゃあ、気にしないでおくっ」
ニッと笑って大樹くんを見る。
この時の大樹くんは、いつもの穏やかな表情をしていた。

