「今日、メイクしてんだよな。いつもとちょっと違う」 「え、うん。軽くだけど……あんまり濃いとおかしくなるから」 あはは、と笑いながら言う。 あたしは本当にメイクが似合わない。 だから、薄めにしてもらった。 「俺が言って何なんだよって感じだけど、そういう薄い方がいいと思う。元がいいから」 元がいいなんて、そんな。 「元は良くないけど……ありがとう」 あたしは自分の頬を押さえながら、言う。 顔が火照って熱い。 「んもー、いつまでも初々しいわぁ……早く行くわよ〜」