「できた?俺も終わったよ」
大樹くんは、ソファーから立ち上がった後にあたしを見て微笑む。
か、カッコいい……!!
黒のスーツに、きれいに整えられた髪。
いつもは見ないその姿に、あたしの顔は少し緩んでしまう。
「す、すごく似合ってる……!」
「ん?あぁ、コレのことか。そう?あんまり似合ってないけど」
「いやいや似合ってるって!」
大樹くんの言葉を、あたしは即座に否定した。
こんな大樹くん、初めて見た。
コスプレの時とかも、こういう格好してたけど……格が違うっていうか。
大樹くん自身に合いすぎてるっていうか。
何言ってんのって感じだけど。

