急いだ様子で招待状を手に取り開けると、真剣な面持ちでそれを読みだした。




あたしはそれを、黙って見ているしかなかった。






なんで、どうして。







……そんなに切羽詰まったような顔をしているの。






読みながら、徐々に焦ったような表情になる。





やがて、読み終えると顔をほんの少しだけ、こわばらせていた。






「大樹、くん……?」





そう名前を呼ぶと、なぜかギュッと抱きしめられた。







「嘘だろ……」






ほんの小さな声でつぶやいたつもりだったんだろうけど、あたしにはその言葉が聞こえてしまった。





嘘だろ、って、何が?