新川くんがあたしの手を掴んだ。 「わっ……」 「俺っ、中谷先輩のことが好きです!」 え? 目を見開くあたしと、顔が真っ赤な新川くん。 「あ、あの、えっと……新川くん。あのね、」 「一目惚れ、なんです。何なんだよ、って思うかもしれませんが……」 何なんだよ、だなんて思わないよ。 「ありがとう、新川くん。でも、ごめんなさい」 思わないけど、嬉しいけど……無理なんだ。 「その……理由は、彼氏がいて」 今は彼氏、だけど。