そんなことを考えていると、沙綾ちゃんがあたしの方へ寄ってきた。
「ん?沙綾ちゃん、どうしたの?」
そう聞くと、沙綾ちゃんは顔を真っ赤にした。
「え、蛯原くんって言うんですね。あたし……彼のことが好きなんです」
そしてボソボソと恥ずかしそうに下を向きながらそう言った。
「え?あ、もしかして文化祭の時に言ってたやつ!?」
あたしがそう聞くと、小さな声でハイ、と答えた。
そんな姿が可愛くて仕方がなかった。
「ホント?応援するね!沙綾ちゃんなら遥を落とせるよ!」
こんな可愛い子に言い寄られるなんて、どんなご褒美だ!って感じ。

