「いえ、そんなこと……」





うつむきながら答える。





そして大樹くんを見る。





へ、平然としてらっしゃる!!






よし、ここはあたしも平静に……。





「えー、何もなかったのー?……残念」





「へ?」





ざ、残念って……。





何かあってほしかったのかな?





っていうか、あったんだけど、言えないよね。





「愛美、詮索すんなよ。困るだろ」





大樹くんが助け舟を出す。





「あー、ってことは、何かあったんだね!大樹!」





あ、ターゲットがあたしから大樹くんに変わった。