「あれ?唯華」




唯華の声に反応した颯先輩は大樹くんと沙綾ちゃんと3人でこっちに向かってくる。




「遅かったね、ねぇ、もしかして颯の妹って……」





唯華がおずおずと聞くと、颯先輩はあぁ、と言いながら答えた。






「うん、コイツが俺の妹の沙綾」




「文化祭の時はありがとうございました。樹里さん、唯華さん」





ニコッと可愛い笑みで答える沙綾ちゃん。




「沙綾ちゃんの名字って“楠木”だったの?」




「?はい……言ってませんでしたか?」




聞いてないよ……。





ってあの時名字聞かなかったような……。