「あ、あの……」
「すいません、ナンパは止めてもらっていいですか」
硬い声音にその男の人は驚いていた。
「なっ……」
あたしもあたしで驚いてた。
だって、大樹くんが引き寄せるようにあたしの反対の肩に腕を乗せていたから。
いや、密着してるんですよ。
大樹くんの体に。
大樹くんの温かい手が、あたしの肩を守るようで、少し頬が赤くなってしまった。
「んだよ、そっちがぶつかってきたんじゃねぇか……チッ、彼氏いんのかよ」
男の人はそう言って去っていった。
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