「まだ言ってるの……どの男の子?」




指差してもいっぱいいるから分かんないよ。





「あの男の子、1人でいる黒髪の!」




「黒髪で、1人……あ、え?ええっ!?」





いきなり大きな声を発したあたしを驚いた目で見る唯華。





「なんでここに……何も聞いてないし」




「樹里?知り合い?」





知り合いも何も。




「うん……おーい、遥!」




あたしは黒髪の男の子に向かってブンブンと手を振った。




そんなあたしに気づいて真顔で近づいてくる。





「え、何なに?どんな関係?」





あたしと彼の関係性がわからない唯華は首をかしげるばかり。