あたしはもっと、大樹くんのことを知らないといけない。
あたしが知らないと、大樹くんがプレッシャーを感じる。
それだけは嫌だ。
「ありがとう、そう言ってくれて」
「え、あ、うんっ!」
その笑顔は反則だと思います。
熱のせいか、少し頬が赤い。
その顔で微笑まれると、逃げたくなってしまう。
「あ、お粥冷めちゃう!えっと、食べたら置いててね!あたし、体拭くためにお湯持ってくる!」
「う、うん……よろしくな、」
逃げるように部屋を出て行くあたしに、大樹くんが首を傾げていることなど知るはずなかった。
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