ピピピピッ。




体温計が小さく鳴る。





大樹くんが取り出すと、あたしには見せずにしまおうとした。





「えっ、ちょ、大樹くんっ」





あたしは油断している大樹くんから体温計を奪う。





「さ、39.0℃……!?」





思っていたよりも高熱だった。





「ど、どうしよう……熱、ありすぎるよ、」





「気にしなくていいからな。1日寝れば治るし」





気を遣っているのか、顔を背ける。





「それに移るから、俺には近づかない方がいい」






それはできないよ。





「嫌だ」




「え?」