顔がほのかに赤い。
大樹くんの手に触れると、熱かった。
「ごめんね……大樹くんっ」
「何で謝んの?……理由は?」
「だって、この前の雨で……あたしにブレザーかけてくれてっ、」
大樹くんの手をギュッと握る。
「大樹くんに、風邪引かせちゃって……」
あの時びっしょり濡れてた。
「いつから……体調悪かったの?」
「うーん、昨日くらい、かな」
なんで、気づかなかったんだろう。
「本当にごめんなさい……!」
「俺がしたかったからやっただけ。だから樹里は気にしなくていいよ」
力なく微笑む大樹くんに、少し胸がキュッと痛む。

