……またあたしの知らないことが出てきたよ。





というか、今の言葉って……何?





あたしは、誰かのもの?





取らないでくれよ、って。





なんで?





あたしは、大樹くんと婚約してるんだよ?





他の人のものなんて、そんなのありえないよ。






「あの、大樹くん……」




ピカッ!ゴロゴロゴロッ!!





「やっ……」





雷に邪魔されてしまった。






「これはヤバいな。雨も横殴りで激しいし……そうだ、樹里、もっとこっちおいで」





え?




あたしは、その言葉に驚いて大樹くんを見ると、微笑まれた。