「早く大樹くんお風呂上がってきてっ……!」 そんなことを言いながらも、雷は少しずつ鳴り続ける。 気を紛らわすように、あたしは夕食作りを始める。 ……数分後。 「樹里、上がったけど……入る?」 「大樹くん……っ!」 上がってきてくれた!! 「ど、どうした?」 「……」 何も言わずに大樹くんの手を軽く握る。 「……あぁ、分かった。雷だろ?」 「う、うん……」 やっぱり大樹くんは分かってしまうんだね。