「樹里、大丈夫?アイツら最低だな、透けてるとか」 そう言いながら、あたしにふわり、とブレザーをかけてくれる大樹くん。 ちゃんと顔を逸らしてくれてる。 別に大樹くんならいいんだけどな……。 「って、このブレザー、大樹くんの……?」 「ん?あぁ、そうだよ。俺雨降った時ブレザー着てなかったから。樹里のブレザーよりこっちの方がいいと思うし」 確かに、あたしのブレザーはびしょ濡れだけど。 「でも、大樹くんのブレザー借りるわけにはっ……」 そこまで言うと、ポンと頭に手を置かれる。