「これは……しばらくは帰れないな。少しでも止んでくれればいいけど」 「……」 「……樹里?」 「え?あっ、何っ!?」 ボーッとしてしまった。 「いや、まだ帰れないなって……止まないし」 「う、うん……ホントだ。止みそうにないね」 ブレザーびしょ濡れだ……。 ちょっと脱ごうかな。 うぅ、シャツがくっついてくるっ……! あたしは、外を見る。 さっきよりは少し弱まった雨。 だけど、未だ強い雨が降っている。 「あの、大樹くん……」