受験するんだからこんな風にゆっくりしてる暇は無いんだ。 「ゆっくり帰る?」 そう言われて、頷きそうになったけど、ブンブンと首を横に振った。 「そっか、んじゃ……また今度な」 ……! あたしはパッと笑顔になった。 また帰れるんだ。 あたしは、大樹くんの言葉で一喜一憂してしまうみたいだ。 「うんっ!また今度ね!」 そう言って、また話しながら……今度は早足で帰る。 ……ポツ。 「……え?」 ポツッ、ポツポツ……。 なに……? 「雨か?」