「よし、帰るか……大樹、樹里ちゃんも待っててくれてありがとな」 「いえいえ、待っとくのも楽しいです」 「らしいぞ、よかったな颯。じゃあ、また明日な」 唯華と、颯先輩と別れて、あたしたちは歩き出す。 「雨降らなかったな……曇ってるけど」 「そうだね……このまま降らなければいいね!」 どんよりとした空だけど、あたしの心は晴れている。 だって、大樹くんと帰れてるからね! 高校卒業したら一緒に帰れないもんなぁ。 だから、今帰れてることが嬉しいんだ。