「相変わらず素直だなーすみれちゃん。」


「本当に。」


宮田と倉林の会話を聞きながら微笑んでいる壱哉。


「すみれちゃんって、モテるよな。」


「ああ、モテるモテる。」


「え?!」


壱哉は思わず歩くのをやめた。
宮田と倉林も同時に歩くのをやめる。


「わ、動揺してるー。」


「幼なじみちゃんは大変ですねー」


「おい。人のことからかうな」



壱哉は、再び歩き出した。



「でも嘘じゃねーよ。
あいつ、同じ学科の戸村だっけ。」


「戸村、すみれのこと狙ってるらしいよ」



宮田と倉林の言葉に壱哉は反応した。