走ってきたからなのか、顔が真っ赤で息が荒かった。
「ワタ、走ってきたでしょ?」
「当たり前だろ。
先につくとか言っといて全然すみれの方が早く着くし。」
はぁはぁ言いながらしゃべるワタ。
いっちゃんを見つけると、ワタは姿勢をあらためた。
「朝からご苦労様、ワタくん。」
「・・・唐沢先輩・・おはようございます・・!!」
「ごめんね、すみれのせいで急がなくてもいいのに急がせちゃって。」
「いえいえ、大丈夫です・・!」
「じゃ、すみれ。俺行くから」
「うん!いっちゃんありがとね!」
いっちゃんは、ワタにも「じゃあね」とあいさつをすると教室へ向かった。
「宮田先輩、倉林先輩も授業頑張ってくださーい!」
先輩たちも手を振ってくれた。
