大学も終わって、今日も何も変わらずみんなで帰るところだった。
ワタとナツはバスケサークルがあって別々だった。
「あれから連絡はあったの~?」
さりちゃんがあたしに戸村先輩からの連絡はあったか聞いてきた。
「あ、そういえば来てないや。」
「そ、なら安心だわ。」
ゆんちゃんが言い切る。
さりちゃんはまだ心配そうにあたしを見ていた。
「ちょっと心配。」
「大丈夫だってば。」
あたしは、もう一度ケータイの画面を確認してからまた鞄へしまった。
「で、今日は壱哉先輩は?」
「いっちゃん?知らないよ?宮田先輩と倉林先輩と帰るんじゃないかな?」
「はぁ~宮田先輩か~」
ゆんちゃんは宮田先輩が大好きなんです。
いっちゃんのこともかっこいいとか言ってるんだけど、実際は宮田先輩が本命のようです。
「今日は先輩たち見かけてないもんね。」
