「村槇ありがとッ!」

あたしがそう言うと
村槇はにこりと笑って
どこかに行ってしまった。


「お母さーーーんッ」

「なに~?」

呑気にひょこっとお母さんが顔をだしてきた。

細海耶奈<ほそみやな>
40歳
あたしのお母さん!


━━━━

「入学…
入学式…っ、
遅刻しそう…っ」

あたしは慌てながら
指定のリボンを首にかける

「車だせるっ??」

「いいわよ~、
原島さ~ん」

お母さんはそう言って
運転手の原島<はらしま>さんを
呼びに行った。

時刻は7時。

運転手の原島さんはまだ絶対に寝てる。

ああ…
原島さんごめんなさい…