"runa side"

『付き合ってください!!』

突然のことにびっくりした。

知らない男の子だったから。


『あ!俺のことあんま、てゆーか、知らんよな!!ごめんな!急に!!俺、橋田 太陽!!ま、簡単にゆーたら一目惚れってゆーやつ?』


『あの!ご、ごめんなさい!!』


『やんね〜!わかっとってんけどさ!!』

って、爆笑する橋田くん。


私は振られたのに笑えることに驚きなにも言えなかった。

『あ!んならさ、俺のこと太陽って呼んで!で!友達な!!』

『わ、わかった!!』

でも友達になったけどクラスも違うし、関係はなにも発展しなかったし、発展しないことはもうわかっていた。


『るーなー!!』

『あ…』


大声で私のことを呼んでいる。

『なにーーー?ゆうせーー!』

『お!瑠奈やったん!!』

『え!!わからなかったの?』

『いや、わかってたけど』

と、ヘラヘラ言う優星の肩をまぁきつく、叩いてやった。

『いった!!なにすんねん!あほか』

『だ、だって、人のことバカにするから!!』

『バカにしてないし!!その反応かわいい…』

『なに?なんて言ったの??』

最後の方がボソボソっと言われたのでわからなかった。

『え、あ!や!なんでもない!!』

『んー?そ?じゃあいい!!』

『うん』

なんかあんまり元気がない、てゆーか、なくなった優星。


『なんか、ご、めん』

『えーー!なんで謝るんー?あほやろほんまお前』

またヘラヘラして笑ってる。

ゲンコツでもしてやろうかと思ったけど、また叩いて元気が無くなったら嫌だったから、何もしなかった。


優星が元気がないとわかると私まで元気が無くなって、胸が痛んだ。


美奈にこのことを言うと、何かニヤけてた。

どうしたの?なに?と聞いたけど何も教えてくれなかった。

『なぁ、瑠奈?うちってさ、龍斗の事好きってゆーたやん?』

龍斗というのは、優星の大親友であり、美奈と家が隣の?いや、幼馴染でもある男の子だった。

美奈は中学1年から好きだったらしいが、まだ告白もせずいっぱい苦しんできたらしい…

『うん、言ってたね。』

『でな?辛いし苦しいし、胸が痛くなるし、切ないし、はかないけど、やっぱり好きやし、やっぱり龍斗しか目に入らへん。それに、人ごみの中にいても一番最初に見つけるのは龍斗やねん。』

『瑠奈?優星への気持ち正直になって考えてみて?』

『え…?』

『わかってるのかわかってないのか…』

『え、何が何が?』

『まぁ、めっちゃくちゃ悩んで考えて、一緒に頑張ろ!!』

『んん?よくわからないけど、うん!!』

『ははっ』

よくわからなかったけど、美奈に笑われた。

なんなんだろ。家に帰ってお母さんはいつも通り夜勤だから、いないし、ご飯も食べずに、部屋に戻って1人で考えた。

"優星への気持ち??"


なんだろ。友達?

でも。華凛ちゃんと優星が喋ってたら胸が痛む。名前を呼ばれただけなのに、どきっとする。

ドキドキする。

ってこれじゃ、私が優星のこと好きみたい…。

え、好き?

好きなのかな…。

私いつの間に…?

気付かないうちに恋ってするものなのかな?

でも好きって気づいたから、好きだから、華凛ちゃんに負けない。

負けたくない。どっちが先に好きかなんてそんなの関係ないよね?