"runa side"
そして、今日は引っ越しをする日。
お母さんに昨日の晩のことを言うと、
『ごめんね、瑠奈。ごめんね。』
どうしてお母さんが謝るのかわからなかった。悪いのはお父さんだ。
でも、私はお母さんを、守ろうと思ったし、お母さんと一緒に新たな一歩を踏み出そうと思った。
『瑠奈、元気でな。』
『うん。』
これがお父さんと私の最後に交わした言葉だった。寂しいとさえ思わない。お父さんは家に帰ってこない時もあったし、帰ってきても遅くに帰ってきて、朝早く会社に行ったりしていたから会わなかったし、話すこともだんだん少なくなった。
大阪に着くとたくさんの人がいて、私はミナミに引っ越すらしい。お金も全てお父さんがやってくれた。
お母さんは大阪で仕事をするけど、夜遅くまでするらしい。私のことをすごく心配していたが、大丈夫だと伝えた。
『じゃあお母さん行くね。』
『うん!行ってらっしゃい!』
引っ越して1週間が経った頃お母さんは仕事が見つかり、私は春休み中だから、ダラダラしていた。
でも私もそろそろ外に出たいと思い、落ち着く場所がないか探し回った。
大阪は東京とどこか似ていた。やはり、人の数だろうか。にぎやかな街だなと思った。
街をブラブラ歩いていると細道があり、川があった。すごく落ち着く場所だったから、私はここで寝転んだ。すごく気持ちかった。
『え、ちょ、倒れてる!!』
目をつむっていた私は目を開け起き上がると『え!倒れてないの??なんでこんなとこおるん!』
ってすごい!関西弁!!
関西弁なんか東京であまり聞かないからそっちの方が驚いた。
『あ!そや!俺、三浦優星 みうらゆうせい』
『え!あ、私、村田瑠奈 むらたるな』
『よろしく』
『あ、はい、よろしくです』
『何歳?』
と三浦くんが聞いてきた。
『今春休みだから高1。春休み終わったら高2だよ。』
『え!俺と一緒やん!!』
"お、お、お同い年の子なのかこの人は。
私は身長が150しかないからか、すごく大きく見えた"
『お、お大きいね?』
『あ〜いや、そうでもないで笑』
『何センチ?』
『ん〜確か167?あ、でも俺より高い人学校におるで?』
『え!すごい!!』
とこんなありきたりな会話をして三浦くんと仲良くなった。
『ほなら、ばいばい!瑠奈!』
『ば、ばいばい!三浦くん!』
『あ!三浦くんじゃなくて、優星でいいよ!』
『え!あ、わかった!』
『じゃあ!優星!ばいばい!』
『ん!』
なんか、優星って話しやすいなあ。
こんな思いを抱き、家に帰った。