クリスマスの奇跡?【短編】

「おかげ様で。」

ニコッと笑顔で返す福永くん。爽やかですねー。和菓子屋としては若干イヤミも入ってたんだけどネ。


さっきから聞きたくて仕方なかったこと、聞いてみようかな…?


「ねぇ福永くん。イブに遅番入れたの?」


軽口っぽく聞いたけど、内心ドキドキなんだよぉ⁈

彼女の話しとか出てきたらどーすんの⁈私、撃沈するけど!あぁ、聞いてしまってから思い出しても遅いじゃん、私!バカだー!


福永くんは眉を下げて困り顔で言った。


「俺、フリーなので…ぼっちのクリスマスですよ。かっこ悪いですね。」


何ですと⁈


「ん?えっ?福永くん、彼女いないの?そんなにカッコイイのに⁈」


彼女いない!よしっ!
…って。
だからー。
私みたいなのが福永くんのような王子に希望持ったってムダなんだってば!
もう、私あきらめ悪っ!