この作戦も残り1日!!

いつもより気合を入れる。

「よし!いくぞー!」

トイレで1人気合を入れる。

いつもの階段をのぼって音楽室へ。

するとそこには大好きな先輩がいつものようにトロンボーンを出し深い心に響く音を奏でる。

とても綺麗だと思った。

初めて会ったとき、目が綺麗だと思ったけれどそれ以外もとても綺麗だった。

筋肉がつきすぎていない華奢でしなやかなからだ。

すこし寝癖がついているがそれによって明るい印象を受ける黒い短髪。

スライドを動かす度に綺麗な手が揺れる。

ほんの数秒の間がとても長く感じた。

『やっぱ好きだぁぁあ!』

心の中で叫んで自分の楽器を取り出し先輩のとなりに座る。

大好きな人のとなりというステータス。
楽器は違えど同じ中低音。

運命なんじゃないかって思ったこともあった。

あの日先輩にぶつからなければこの日常はなかっただろう。

あの時先輩が吹奏楽部の勧誘をしなければ私はここにはいなかっただろう。

先輩は私に居場所をくれた大切な人だ。

だからこそ好きになって、告白しようかと思った事もある。

それでもできないからとなりに居れると安心した。

付き合ってなくてもすこしだけ心が通っている気がした。