「あなた、この前の……!」


「くく、覚えてくれてるなんて光栄だなあ」



ビニール傘から覗いたその顔。


派手な金髪に細身の身体。ニヤリと口角を上げた皮肉たっぷりの表情。


認めた瞬間、ドキリと心臓が止まりそうになった。


間違いない。


この人、遊園地で出会った男だ。


小さな男の子相手に、大人気なく声を荒らげていた奴……。


でも、何でここに?


もう会うことなんてないと思ってたのに。


まさか、私のことを捜して来たっていうの……?


そんなこと──。