──これは子どもの頃、お母さんと2人で本屋さんに出掛けた時の記憶。



“王子様”



誰にだって、きっと自分だけの理想の王子様がいる。


私の場合はそう……。


強くて、優しくて……どんなときでも私を守ってくれる人。


いつかそんな運命の人と出逢えたら、なんて憧れちゃう。


ねぇ、白雪姫様。私にも、あなたみたいな素敵な出逢いが訪れるのでしょうか?



白雪姫様、お願いです──。



「……き。……白雪」



……こうやって優しく名前を呼んでくれる、私の王子様と──。