「オッス!」



月曜日の朝。


職員室に用があるという犀川くんと下駄箱で別れた私に、元気な挨拶をしてくれたのは──。



「間宮くん! おはよう」


「へえ、一緒に登校してんのな」



──ドキッ。



「う、うん」



にやにやと頬を緩ませながら覗き込む彼の視線から逃げるよう、私は少し早足になった。


だって、そう。


犀川くんとの同居は、絶対の秘密。


鋭い間宮くんのことだ。この前みたいにスバリ感づかれてしまっては大変だと、危険を察知した私は咄嗟に話を逸らした。



「そう言えば、今日朝練は?」


「あー、テスト前だから休み」



そう答えて彼は、Vサインをして見せた。


こうして間宮くんと何気ない会話を続けながら、いつものように、教室に足を踏み入れたその時だった。



「ひゅ~ひゅ~っ!」


「朝から見せつけてくれますなあ」



まるでお祭り騒ぎのような声が耳に入り、私はふと立ち止まる。


……なになに? 何のこと言ってるんだろう。


そう、辺りを見渡してみると。