「おはよー」



階段を降りてリビングに入ると、新聞を読むおじいちゃんと──あの人の姿が目に入った。



「おはよう、白雪」


「お、おはよう」



うぐっ……やっぱり現実、なのよね。


この状況に慣れない私は、咄嗟にどう振る舞えばいいのか戸惑ってしまう。


相変わらず優しい笑顔で彼は私を見るから。


それに、昨日と違う制服姿が何ともかっこい──。


……って、騙されちゃ駄目よ白雪! あの笑顔は天使のふりした悪魔のものかもしれないんだから!