君と見た海

思い出したくない、こと。

そこで今日の夢のことが浮かんできた。

私はきっとあの夢で見たことを知っている。

はずなんだ。

思い出せない。

思い出したい。

何か大切な・・・大切な?

「美海ちゃん?思い出したくないこと、思い出しちゃったの?」

気にしてくれている瑠流に慌てて首を振る。

「う、ううん。占いがビリでちょっぴりへこんでただけだから。」

夢のことだから心配かけたくない。

「占いなんて気にしないで大丈夫だからね?」

「うん、そうだね。」

たかが夢だ。

それほど思い入れることじゃない。

そうやって夢を頭からムリヤリ消した。