隣の女

金曜日の午後、朝子は社長に

「社長、実は今日の夜速水さんの

 料理教室に行ってきます。」

「おぅ!行くの?じゃあ、色々

 見てきてよ。俺、やっぱり

 何か気になるんだなぁ。

 苦手なんだよ、あの人。

 でも、片桐社長がうるさいんだよ。」

「そうなんですかぁ。」

「何か仕事やってやってくれってさ。

 もちろん、うちだって商売だから

 遊びじゃないからねぇ。いくら

 付き合いだからって言われても

 変なリスクを背負いたくないんだよ。

 俺‥なんか、気になるのよ。」

「何が気になるんですか?」

「男の勘ってやつだよ!」

「男の勘‥ですか?」

「悪い人じゃないとは思うんだけど

 何か‥こう、引っかかるんだよなぁ。

 うまく説明できないけど‥。

 こう見えても俺、案外勘がいいのは

 朝子ちゃんだって知ってるだろ?」

「えぇ‥。」

「ま、とにかく、頼むよ。」

「は、はい。」