そこにいたのは、同じクラスメイト
である、日宮翔だった。

日宮「笹山さん、忘れ物?」

綾音「あぁ、まぁちょっと。」

日宮「そっかー。じゃあ、また明日ね
   気を付けて帰ってね。」

綾音「うん…。ありがとう。」

トコトコ

ガタンッ!

日宮「いったたぁ…。」

綾音「あっ、あのさぁ…。
   日宮くん何してるの…?」

日宮「えっ?あっ、うん。先生に本棚の整   理と黒板消しとけって言われたん    だー」

綾音「そっか。」

日宮「ふふふっ」

すると、日宮くんが笑いだした。

私は、キョトンとしてその場に立っていた。

日宮くんとあんまり話をしたことはない。

と言ってもこれが始めてかもしれない。

彼は、クラスの中でもあまり、目立つタイプではなくて

人と話してるのも滅多に見ない。

いつも、自分の席で読書をしている
真面目でミステリアスな青年だ。

その彼は、今、私と話している。
しかも、笑っている。

どういう状況だ……?

私は、思わず彼をジーっと見てしまった。

すると、彼は……