目が覚めた。

体が凍ったように冷たい。

僕は確かに布団に入って寝たはずなのに、

布団のぬくもりも柔らかさも感じない。

そこにはコンクリートでできた固くて

冷たい床と小さなモニターだけが

狭い部屋にある。電気はついているが

窓が見当たらない、まるで外の様子をわから

なくしているかのように不自然な部屋だ。

少ししてからやっとのことで使ってない

脳を働かせ現状を把握させた。

まず僕はなぜこんなとこにいるんだ?

部屋の布団で寝たはずなのにどうして

コンクリートの上で寝ているんだ?

そして…あの不気味なモニターはなんだ?

どうやらモニターには電源ボタンがあるらしい。

恐る恐る電源を入れてみる。

電源は入っているみたいだが何も映らない。

壊れてるのかと思い何度か叩いてみるが

反応はない。今はここから出たいという

思いで頭がいっぱいになっている。

少し冷静になって頭を整理して

昔のことを少し思い出してみる。

こんな時にはどうすればいいか対処法をみつけるために。

いまから6年前のこと…

僕は親に手を引かれ中学校に入学する。

昔から気の弱かった僕は怖かった。

周りには知らない人ばかり。

不安そうに周りをキョロキョロしていると

「おーい!強(つとむ)ー!」

強は僕の名前だ。フルネームは瀬谷 強

元気で強い子に育って欲しいと親が名づけてくれた。

僕を呼んだ男の子は小学校からの友達、森園 勇樹。

「ゆうくん!僕、一人じゃ怖いよぉ。」

「泣き言いうなよ、俺たち今日から中学生なんだぜ!?ワクワクしねーか?」

元気で強いと言う言葉は勇樹の方が

合ってると度々思う。僕はこんなにもひ弱なのだから。