「俺のMyシャーペン!」

Myシャーペンって
言ってるけど
本当はあたしので
いつも貸してる。

だけどダメだよ…

「だめー!」

鈴村は
あたしの筆箱をとった。

「あー!またペンの向きがそろってない!」

あたしの筆箱の中の物を
全部だした。

「何しよん?」

「向きそろえる。」

「別にいいよ。」

「俺が嫌だから」

なんちゃって
いって
こっそりシャーペンを
とってた。

だけど
本当に
ペンの向きを
そろえてくれた。

「このシャーペンもらっていい?」

「だからだめ!」

鈴村は
席にちゃんと座った。

こんなの
初めて見たかもしれない。

だけど
こんな後ろ姿を見るのも
今日が最後。

今日は
10月になったから
席替えをする。

そしたら
もうシャーペン貸すことも
いちいち
筆箱をチェックされたりもしない。

嬉しい反面
悲しかった。

だけど
何だか…。

みんな
離れていくから。