お兄ちゃんの部屋まできた。

なかなか開けられない。

―カチャ

開いた。

正確に言えば
お兄ちゃんが開けた。

「はいり。」

動かない体を
無理矢理動かした。

「ここ座り?」

お兄ちゃんのベットに座った。

そして
1枚の写真を渡された。

若い男女2人の写真。

「誰でしょう?」

急に質問をされた。

「分かんないけど…。カップルかな。」

女の人は
茶髪のショートヘアーの
かわいい小柄な人。

男の人は
背が高くて
ベビー服をもって
ピースをしてた。

「美優のお母さんとお父さんだよ。」

あたしの?

お兄ちゃんは
ずっと。

「そなの?」

写真の上に
1粒の涙が落ちた。

「美優は本当をしりたい?」

本当のこと…。

あたしの
お父さん、お母さん。

あたしはそっと頷いた。