「好きな女も守れねーの!?」

お兄ちゃんは
あたしの様子が
明らかに変だって…

白状しろって

あたしは
悪いことしてないし。

「話によると山ちゃんも葵ちゃんも好きだって。二股…」

「わやじゃん。」

お兄ちゃんは
同じ男として
情けないとかなんとか…

「つか葵って子って頭いかれてる?」

「彼氏のことで鈴村に相談してたら好きになっちゃったんだって。」

「複雑じゃん。」

「まーね。」

笑っていたお兄ちゃんは
急に黙って…

一気に静かになる。

「ねぇ美優。」

「ん?」

「鈴村のこと…。」

「もお全然だよ!!」

あの時の
愛しかった鈴村は
もういないから。

「新しい恋見つけるっ。高校で。」

「そおか。」

「入試の時イケメンいたし!」

今は
通過点だから。

あたしは
ゴルフ頑張んなきゃ。

「爆弾発言〜。」

「かっこよくて賢くて垂らしじゃないの見つけてやるし!」

「頑張れ〜。」

また頑張ろ。

前見て進まなきゃ
意味ないもんね。

後ろ見たって
しょうがないもん。