大事なこと
忘れてたよ。
人間って
単純だから
難しいんだ。
みんな違うから
わかんないんだ。
「なら教えなかったらよかったじゃん!」
「だからさー。」
「そんな大事だと思うんなら」
「それほど信じてたんだよ!」
「…。」
あたしの胸は
だんだん限界に近づいていった。
「ともはさ、美優のことでムカついたことあるよ?」
「何だよ。言ってみてよ。」
「チーズケーキの時。」
倫紀が言うには
倫紀とたっくんが話してたときに
あたしが入ってきて
あたしの顔をみたたっくんは
逃げたんだって。
「だから何?」
「今いったじゃん。」
「ケーキ渡したんだろ?」
「もういいし!」
「倫紀の説明が下手なんだよ!」
あのとき
あたしはすぐに帰った。
ってか
たっくん逃げてねーよみたいな。
「それならさ、あたしなんか倫紀に『美優は仲間外れだから教室から出て。』って言われたんだよ?」
「は?いってねーし!」
「自分が言ったことも忘れんの?」
「それさー。とものこと嫌いやけ作ったんやろ」
あたしは
言葉を失った。
作ったんやろ?
まじ老化ですかー?
「なんで…なんで作るわけ?」
「は。意味分からんし。」
「意図的じゃなくて自然に言ったならそれで傷ついてる人いるよ?」
「…。」
「他にあたしにムカつくことは?」
「…ない。」
「寒いのにはなし聞いてくれてありがとう。」
「…。」
「あの時一言あればなあ。」
謝ってくれるって
そう思ってた。
「…。」
「倫紀に話したあたしが悪かった。ごめん。」
「…。」
「もういいよ。」

