倫紀の答えは
ダメだった。
美里は用事があるらしく
途中で帰った。
その代わり
事情を知ってる友達が
来た。
「いいたいこといっちゃいな?1対1が無理ってことは自分が不利だからだよ。頑張れ!」
友達はそういって
ガッツポーズをしてくれた。
グラウンドの奥へと
どんどん進む倫紀。
あたしたちは
あとを追いかける。
倫紀が逃げてるように
感じた。
倫紀の友達が2、3人いたけど
もうどうでもよかった。
「倫紀!!」
「は?」
今までとは
全く違う態度。
そして目。
「話あるから…。」
絵里たちが
気を利かせてくれて
あたしたちを
2人きりにしてくれた。
「だから何!」
倫紀の態度がおかしくて
つい笑ってしまった。
「何で秘密なのに言っちゃったの?」
「秘密なんて言われてない。」
「はあー?」
「秘密だっていわれてないからいったんじゃん!」
「言ったし!つかさ、もし言ってなくてもあたしに許可なく教える義務あんの?」
「…。」
「あたしは目ぇ、見てはなしてんの。目見てはなして!」
「…。」
時間が過ぎていくだけ。
「あたしは倫紀のこと信じてたのに…」
「過去だからいいじゃん。」
過去だからいい?
訳わかんね。
「ふざけんなよ。」
思わず殴ろうとしたあたし。
だけど…
「すいませーん。」
転がってきたサッカーボール。
鈴村。
思い出しちゃったじゃん。
こんな言葉遣い聞いたら
どう思う?
あり得ないよね…
「信用してたのに裏切られたことが1番悔しかった。」
「…。」
「倫紀があたしの1番の親友だったから。」
あたしさ、
やっぱりだめだ。
鈴村は
あたしなんか
嫌いでしょ?

