帰り道のサービスエリア。

平日だから
さすがに子供はいなかった。

あたしは
食欲がなくて
あんまり食べたくなかったけど
無理やり食べた。

いつもなら
おいしいって
いうかもしれない。

だけど
味なんて
感じられなくて…

ただ
達弥くんが
いないかなって探してた。

食べ終わっても
全く
達弥くんの姿は
見えなかった。

多分達弥くんは
特待生として入る高校の
人たちときてると思う。

達弥くんが
その高校に入れば
負けないと思う。

なら
もっと強くなって
あたしから
ずっと遠い存在になる。

「美優、こっちとこっちどっちがいいと思う?」

いつの間にか
お土産コーナーにいて
お母さんは
お世話になってる人への
お土産を選んでた。

レジに行く頃には
だいぶ一杯になってた。

その時…

「でもさー。今回難しかったよ。」

ふと聞こえた声。

達弥くんじゃないけど
達弥くんがいく高校の先輩の声。

とりあえず
礼をした。

あたしの胸の音は最高潮だった。

嬉しい思いと
また会えないとあう思いで
息が苦しかった。

達弥くんが来たとき
おめでとうございますって
言いたかったけど
言えなかった。

頭を下げることしかできなくて…

達弥くんが仕返してくれて。

また礼しちゃった。

達弥くんも
またしてくれて
嬉しかったけど
達弥くんのジャージ姿に
見とれた。

あたしや
先輩たちは
まだ制服なのに
達弥くんは
黒のジャージを着てて

その下には
青いTシャツが
顔を覗かせていた。