「な、なんのつもり!?」
「なんのつもりって…、あのね。僕も一応、男なんだよ?君が僕を煽ってくるたび、理性をとどめておくのに必死なんだ」
「………っ!!?」
「ほら、そうやって僕を惑わすから」
そう言うと、青年はまた少女に口づける。
しかし、今度の口づけは、一瞬唇が触れ合うだけの軽いものだった。
「ふふ、かーわいい♪」
林檎のように頬をほてらせた少女の耳元でそう呟くと、青年は立ち上がってドアへと向かう。
「仕事、行ってくるね」
少女の返事は聞かずに行ってしまった青年の後ろ姿を呆然と見送りながら、少女はその場にへたりこむ。
先程青年に囁かれた耳に手を添えながら、
「………ま、負けたわ…」
一言、そう呟いた。


