外に出ると、
そこは辺り一面の銀世界だった。


「寒いわね…」


白い息を吐きながらシンデレラは魔法使いと繋がれた右手を盗み見る。


(なにかしら…なんだか少しあつくなってきたわ)


意外にも、シンデレラは恋というものを知らなかった。


久々に出た外は雪が降っていて寒いはずなのに、繋がれた右手を意識すればするほど体温があがっていくのは何故なのか、シンデレラにはわからない。