わたしの想いがとどくように

「暁ー!」

弥生は座っていた席から立ち上がって暁にタックルした。

「ってー!なんだよ」

「なんとなく」

「なんとなくって理由になってねぇよ!!」

暁はつっこみを入れた。弥生は安心した。
暁は暁で大丈夫みたいだ。

「あ、暁も栞は知ってるよね」

「あぁ」

弥生は栞の座っている席の後ろにまわった。

「今日友達になったの!」

「またかよ!お前、昨日も友達作ってなかったか?」

「うん、いけない?」

「いけなくはないけど、まぁお前の才能だよな」

暁はそう言った。弥生はへらっと笑っていた。
また足音が聞こえて来る。知っている音が2つ

「カップル登場だー」

弥生はそう言うと、幸奈と美華子が来た。

「弥生、沙也さんが弁当って」

「あ!私のせい?沙也さんのせい?」

「今日は沙也さん」

幸奈がそう言って弥生に渡す。
いつも、沙也と弥生は弁当を忘れる。
渡し忘れるのか、渡したのを忘れるのかのどっちかだった。
弥生は受けてると、すぐに栞のところに行く。

「幸奈!今日友達になった栞!知ってるでしょ?」

幸奈が栞を見るだけで不機嫌な顔になった。

「…ふざけんなよ」

誰にも聞こえないような小さい声でいった。

「えっ?」

弥生はハテナを浮かべていると、ちょうどチャイムがなった。
栞は、教室に戻った。