ガチャッ


私の部屋のドアが開いた。



「やだ!来ないで!お願いだから来ないで!」


私は必死に叫んだ。



「……………な」



やめて!


私の目の前までやってきて私の肩を掴んだ。


私は咄嗟につき飛ばしてしまった。


「いって。杏菜!僕だよ」



聞きなれた声がした。



「来夢だよ」



私は顔を上げた。


私が飛ばしたときに頭をぶつけてしまったのか頭を抑えていた。



「来夢!ごめん!大丈夫?」

私は来夢に近寄った。

「僕は大丈夫。杏菜こそ、なんかあったの?」


そう言いながら私を抱きしめてくれた。


「安心して、僕がいるから」


その言葉に安心した私は子どものように大泣きしてしまった。


私が泣き止むまで、ずっと来夢は抱きしめてくれていた。