冷や汗が背中から、滑り落ちていく。
「そこを開けやがれNo.23」
恥ずかしかったが開けるしかなかった。
アシフィックの低い声にピクッと反応し、あたしは扉を開けた。
何故昨日のうちに片付けてなかったのか後悔しながら。
あたしの部屋は至って普通の部屋だ。
でも、ベッドの横にある棚の上にはあたしが唯一持っている綾瀬くんの写真が飾ってある。
きっと、アシフィックはその写真をすぐに見つけるだろう。
そして、捨てるのだ。
ナンバーズは何かに執着する必要はないとか言って。
「やっぱりな」
ほら、アシフィックはあたしの予想通り、あの写真へと歩いていく。
あたしはあたし自身の存在を消されないように、反抗はしない。
本当は嫌だ。
だった1枚しかない綾瀬くんとのツーショット写真。
捨てられたくなんかない。
でもアシフィックはわざわざ、人間に変身までしてその写真を手に取り、その手から炎を出した。
写真が燃える。
青い髪に白い肌、真っ黒な服を着ているからよけいに目立つ。
彼は振り返り刺すような目で、少しあたしを見た。
ボウッと燃えていく写真。
写真だけが燃えフレームは燃えてない。
きっと、アシフィックの魔法だろう。
酷い。
あたしはその場から動くことなく写真を見ている。
手に爪が食い込んでいるのがわかる。
でも、痛みは感じない。
茫然と写真を見つめ、その場に立ち尽くすあたし。
「ナンバーズは執着とか固執とかしちゃいけねぇーのお嬢ちゃんもわかってただろ?これを期に全て忘れろ」
アシフィックはそう言ってまた犬になり、あたしの寝室から出ていった。
